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<title>地平線への鍵 【Sound Horizon考察】</title>
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<description>音楽グループ『Sound Horizon』の考察ファンサイト。管理人：CAZ（カズ）がファンの立場から色々と考察しているページです。当サイトはリンクフリーサイト内の文章・画像等は無断転載禁止</description>
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<title>「エリス」という名が持つ意味</title>
<description> 「エリス」及び、その愛称である「エル」という名前について、皆さんはどの様な見解をお持ちでしょうか。 名前の意味というのはおおよそ調べることが可能なものですが、人名や殆どの固有名詞がアルファベット表記であった「Chronicle 2nd」などとは異なり、「Elysion ～楽園幻想物語組曲～」ではそれらがカタカナでしか表記されていない為、この「エリス」という名前の意味を推し量ろうとなると、先ず該当するであろう綴りを考えるところから始めなくてはなりません。 作中でギリシア神話か...</description>
<dc:subject>Elysion ～楽園幻想物語組曲～</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-08-08T17:53:02+09:00</dc:date>
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　「エリス」及び、その愛称である「エル」という名前について、皆さんはどの様な見解をお持ちでしょうか。<br />　名前の意味というのはおおよそ調べることが可能なものですが、人名や殆どの固有名詞がアルファベット表記であった「Chronicle 2nd」などとは異なり、「Elysion ～楽園幻想物語組曲～」ではそれらがカタカナでしか表記されていない為、この「エリス」という名前の意味を推し量ろうとなると、先ず該当するであろう綴りを考えるところから始めなくてはなりません。<br />　作中でギリシア神話からのモチーフが散見できる為、私が真っ先に思い浮かべたのは<strong>ギリシア神話に於ける「争い」と「不和」を司る女神「エリス／Eris」</strong>でしたが、この場合では「Elysion」との言葉遊びが成立しなくなってしまうので除外すべきでしょう。<br /><br />　ならば単純に考えるべきかと思っていた矢先、何処であったか失念してしまったのですが<strong>「Elysion」と「Abyss」を掛け合わせて「Elys（Elyss）」</strong>なのでは無いかという説を拝見しました。<br />　これについては、考え方としては非常に面白いと思ったものですが、<a href="5136269.html">別項</a>でも述べているように、<strong>「Ηλυσιον ／Elysion」は勿論のこと「Αβυσσοζ／Abyss」も本来はギリシア語です</strong>。<br />　ギリシア語同士を組み合わせた造語でしたら、読みもギリシア語に準ずるのが道理であろうと思いますので、<strong>「Ελυσ／Elys」であれば「エリュス」</strong>になるんですよね。<br />　英語読みなら「エリス」にならなくもないですが、発音だけが英語準拠というのは些か納得しがたいですし、あれだけ多用な言語を作中で用いているRevo氏なればこそ、その辺りには拘るのではないかという気もします。<br /><br />　となると、消去法でいって残るは単純に<strong>英名の「Elis（Ellis）」</strong>でしょう。<br />　この「Elis」は、ヘブライ語起源の言葉であり、意味は<strong>「ヤハウェは神である」</strong>というもの。男性名であれば、「エリオット／Eliot（Elliot）」がこれに当たります。<br />　皆さん、天使の名前は幾つかご存じでしょうか。 <br />　ミカエル、ラファエル、ガブリエル、ウリエルなど、四大天使とも呼ばれる有名どころなら、おそらくどこかで耳にしたことがあるかと思います。エリ組でも「Sacrifice」にて「ガブリエル／Gabriel」という名が登場していますよね。<br />　これら天使の名に用いられている「エル／El」と、「Elis」の「El」は全く同じものです。そう、<strong>「エル／El」とは、ヘブライ語などのセム系言語で「神」を意味する言葉</strong>なのです。<br />　私が<a href="5001600.html">総合考察Phase-1</a>にて、「求めしは“神”の名を持つ娘」というタイトルを使用した理由も、実はここに起因しています。<br /><br />　結論として、私は「エリス／Elis」という綴りが最も正答に近いであろうという判断を下しました。<br />　思えばエリ組で描かれている内容は、「“神”≒宗教的な道徳規範」に対する背信行為に当たるものが殆どである為、物語の中核となる少女の名が“神”という意味を含むというのは非常に皮肉が利いていて、Sound Horizonの作風にも添っているとは思いませんか。<a name="more"></a>

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<title>「Yield」 -「3-1+1-2」という数式について-</title>
<description> この数式を考えるに当たって肝要となるのは、歌詞の中のたった一文を、正確に理解するだけではないでしょうか。 曰く、「問題となるのは個の性質ではなく、ただ記号としての数量」という点です。 この一文は即ち、数学の根本的な前提に他ならず、私達の誰もが必ず教わった事柄です。「りんごが１つ、みかんが１つ有ります。足すといくつになりますか？」 この問題の答えを、あなたは何と答えますか？ 当然、「２つ」ですよね。 そうやって何の疑問もなく「２」という答えを出せてしまうのが、その確たる証明で...</description>
<dc:subject>Elysion ～楽園幻想物語組曲～</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-08-02T21:49:16+09:00</dc:date>
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　この数式を考えるに当たって肝要となるのは、歌詞の中のたった一文を、正確に理解するだけではないでしょうか。<br />　曰く、<strong>「問題となるのは個の性質ではなく、ただ記号としての数量」</strong>という点です。<br />　この一文は即ち、数学の根本的な前提に他ならず、私達の誰もが必ず教わった事柄です。<br /><br />「りんごが１つ、みかんが１つ有ります。足すといくつになりますか？」<br />　この問題の答えを、あなたは何と答えますか？　当然、「２つ」ですよね。<br />　そうやって何の疑問もなく「２」という答えを出せてしまうのが、その確たる証明です。<br /><br />　ですが、あなたは本当に、初めからそれを当たり前だと考えていたでしょうか。<br />「りんごとみかんは違うから、足せないよ？」<br />　例えあなたに憶えが無かろうと、そんな疑問をぶつけて親や学校の先生を困らせる子供は、常に存在します。<br />　そんな子供たちが最初に教え込まれるのが、<br />「この場合、りんごである事と、みかんである事に、意味はないんだよ。だから１個と１個を足すと、２個になるんだ」<br />という、「１」という数字の定義（性質）に対する疑念の放棄です。<br />　そう、まさしく「問題となるのは個の性質ではなく～」という、歌詞中の一文そのままの事なんですね。<br />　<strong>そんな“当たり前”のことに敢えて言及している意味</strong>を酌んだならば、もう結論は出たも同じです。<br /><br />　冒頭の「一人娘」というのが、「一人っ子」なのか、「一人の娘」なのか。<br />　「娘」が横恋慕している男女が、良く言われているような「実の父母」なのか、それとも「他人」なのか。<br />　<strong>この数式を考えるに当たり、それらは全て意味が有りません</strong>。メタ存在たる「仮面の男」も、ここでは単なる「１」に過ぎませんし、歌詞から窺える「娘」が妊娠しているというニュアンスに受け取れる点も、やはり同様に「１」でしかありません。<br /><br />　そして、<strong>これは同時に、推論の棄却が絶対条件であること</strong>を意味します。<br />　何故なら、「１」という数字に類推を差し挟む数式など、そもそも成立すらしないのですから。<br />　ならば、“曲中に提示された情報”が全てです。それさえ踏まえれば、後は“推測を紛れ込ませず”に一つ一つを潰していくだけで、「3-1+1-2」の内訳は明快となります。<br /><br />　最初の「３」は、説明するまでもなく「娘」と「一組の男女」の、女性二名、男性一名です。<br />　「不安定な数字」という表現も、彼女らの関係性の危うさを言外に示唆していますよね。<br /><br />　続く「マイナス１」ですが、これははっきりとは判りません。<br />　「もぎ獲れないのなら～」という部分の物言いから、「娘」が己のものにしたかった対象を強引に手に入れようと心に決めた事が伺えますが、これだけではその対象が男個人という「存在」なのか、男と自分が恋人となるという「関係」なのかはハッキリせず、故に男と女のどちらを殺害したのかという答えを導き出すにも不充分です。<br />　他の部分からも確たる根拠となる情報は得られませんので、首を刈り獲る＝男女のいずれかを殺害するという事実（結果）のみが窺い知れるに留まりますが、「個の性質」を追求する意味はないのですから、それだけ確認できれば問題はありません。<br /><br />　「プラス１」に関しては、これは明白です。<br />　曲中にて、加えられる（現れる）という表現が用いられているのは、唯一「仮面の男」だけだからです。<br />　前述の通り、彼が人間ではないという点は、この数式に於いて一切関与しません。<br /><br />　ならば、最後の「マイナス２」についても、敢えて書き記すまでもないでしょう。<br />　曲の締め括りにて述べられる「彼ら」の「彼」は、「仮面の男」以外に有り得ませんし、だとすれば彼が連れ去ったのは、「Abyssサイド」の他曲を鑑みて「娘」自身に他なりません。<br /><br />　「荒野に一人取り残されるのは誰」という問い掛けには対しては、「マイナス１」の部分が判然としない為、明確な答えは得られません。<br />　数式の答えとして考えれば「１人」という解答が得られている為、別に問題は一切ない。ここまでが、考察という行為の限界でしょう。<br /><br />　ジャケットイラストに描かれている首を失った二人の人影と、曲中から得られる情報との相違。それに付随する数式の解釈の見直しなどは、私は一切行いません。何故なら、それは“類推”や“推論”の領域であるからです。<br />　そして、その類推や推論に対して、私には辻褄の合う根拠を見出す事が出来ませんでした。<br />　確たる論拠に因らぬのであれば、それは既に考察に非ず、ただの妄想に過ぎませんからね……。<a name="more"></a>

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<title>「聖戦と死神」Webアンソロジー企画</title>
<description> クロニカ学習帳さんで執り行われました「聖戦と死神」Webアンソロジー企画にて、「Veles」という名義で掌編を二本ほど投稿させて頂いております。『ウェルケンラートの残照』～from Arbelge's War～名も無き詩 -gan ainm amhran-の二編です。 拙作では御座いますが、ご一読して頂ければ幸いです。</description>
<dc:subject>番外 -Short Story-</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-08-01T23:38:43+09:00</dc:date>
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　クロニカ学習帳さんで執り行われました「聖戦と死神」Webアンソロジー企画にて、「Veles」という名義で掌編を二本ほど投稿させて頂いております。<br /><br /><a href="http://chronica-note.com/wiki/wiki.cgi/Chilyabo?page=BBS%2D%C0%BB%C0%EF%A4%C8%BB%E0%BF%C0Web%A5%A2%A5%F3%A5%BD%A5%ED%A5%B8%A1%BC1%2F5" target="_blank">『ウェルケンラートの残照』～from Arbelge's War～</a><br /><br /><a href="http://chronica-note.com/wiki/wiki.cgi/Chilyabo?page=BBS%2D%C0%BB%C0%EF%A4%C8%BB%E0%BF%C0Web%A5%A2%A5%F3%A5%BD%A5%ED%A5%B8%A1%BC1%2F16" target="_blank">名も無き詩 -gan ainm amhran-</a><br /><br />の二編です。<br />　拙作では御座いますが、ご一読して頂ければ幸いです。<a name="more"></a>

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<title>[PR]注目のキーワード「梅シロップ」</title>
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<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E6%A2%85&hid=35">梅</a>&nbsp;|&nbsp;<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E6%A2%85%E9%85%92&hid=35">梅酒</a>&nbsp;|&nbsp;<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E6%B0%B7%E7%A0%82%E7%B3%96&hid=35">氷砂糖</a>&nbsp;|&nbsp;<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E4%BD%9C%E3%82%8B&hid=35">作る</a>&nbsp;|&nbsp;<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9&hid=35">作り方</a>&nbsp;|&nbsp;<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E9%9D%92%E6%A2%85&hid=35">青梅</a>&nbsp;|&nbsp;<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E4%BD%9C%E3%81%A3%E3%81%9F&hid=35">作った</a>&nbsp;|&nbsp;<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%BC&hid=35">ホワイトリカー</a>&nbsp;|&nbsp;<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88&hid=35">サイト</a>&nbsp;|&nbsp;<a href="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=92811&sid=sound-horizon&tid=seesaa_hotspot&k=%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%94&hid=35">レシピ</a>
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<dc:date>2005-08-01T23:38:43+09:00</dc:date>
<dc:creator>ads by Seesaa</dc:creator>
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<title>「Ark」 -『箱舟信仰』が成立する条件-</title>
<description> かなりの人気曲でありながら、どうにも謎が多い「Ark」。A byssサイドの中でも、一際とりとめのない単語が散りばめられた構成である為、そのぶん全体像が見えづらいように思います。 いきなり全体を把握する事が困難なら、ひと先ず情報を断片ごとに解析して、それを繋ぎ合わせるしかない。そうする事によって新たに見えてくるものとて、少なからず有る筈ですしね。 という訳で、今回は「Ark」という曲の背景に存在する最大の疑問、『箱舟信仰』というものに焦点を当てて考えてみたいと思います。 そ...</description>
<dc:subject>Elysion ～楽園幻想物語組曲～</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-07-30T11:01:51+09:00</dc:date>
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　かなりの人気曲でありながら、どうにも謎が多い「Ark」。<br />A　byssサイドの中でも、一際とりとめのない単語が散りばめられた構成である為、そのぶん全体像が見えづらいように思います。<br />　いきなり全体を把握する事が困難なら、ひと先ず情報を断片ごとに解析して、それを繋ぎ合わせるしかない。そうする事によって新たに見えてくるものとて、少なからず有る筈ですしね。<br />　という訳で、今回は「Ark」という曲の背景に存在する最大の疑問、『箱舟信仰』というものに焦点を当てて考えてみたいと思います。<br /><br /><br />　そもそも「Ark」という単語は、聖書を出典とする言葉であり、それはつまりヘブライ語、及びアラム語を語源とする言葉である事を意味します。<br />　意味するところは大きく二つ。「創世記」に於ける「Noahの箱舟」の、『箱舟』。「出エジプト記」に於けるモーセの「十戒」の刻まれた石版を納めたという、『契約の筺（はこ）』の事で、『約櫃（やくひつ）』とも。<br />　勿論、「Ark」で用いられているのは前者の方ですが、ではどうして、その『箱舟』が信仰の対象に成り得るのでしょうか？<br /><br />　鰯の頭も信心などとは言いますが、一般的な人間心理としては、何の理由も無しに信仰が発祥する事はないでしょう。<br />　現世利益の希求、魂（精神）の安寧と救済、自己確立の為の拠り所などと、小難しい言葉でなくとも、単に親が信仰していたから自分もなんとなくというのであっても、それは立派な理由です。<br />　信仰を持っている人間というのは、概ねそういった理由を何らかの形で胸裡に抱えているものです。<br /><br />　しかし、特定の事物（この場合は『箱舟』）を信仰の対象とみなすとなれば、それらの「理由」を発生させるに足るだけの、絶対的に必要となる前提条件が二つあります。<br />　一つは、その事物に纏わる「前例」が存在すること。<br />　これは別に「事実」である必要はなく、神話、伝承といった実体の見えないものでも構いません。要は、特定の人間にとって「真実」であれば良いのです。<br />　この点については、私達も理解するのは容易です。なにせ、「Noahの箱舟」の伝承は、私達にとっても馴染み深いものなのですから、それが過去の「救済」の事例であるという風に結びつける事は、改めて意識するまでもないでしょう。<br /><br />　<strong>ですが、もしアナタが『箱舟』を信仰の対象として見ろと強要されたと仮定して、それを素直に受け入れられますか？</strong><br /><br />　少なくとも、私には無理です。八百万の神を持つ日本人の感覚としても、『箱舟』に神が宿っているという考え方は少々受け入れ難いですし、ましてやキリスト教徒の方であれば尚更でしょう。<br />　何処かの誰かが「『箱舟』を信仰せよ」という「神の啓示」でも受け、尚かつそれが本物の「奇跡」として認定されでもすれば、また話は違ってくるでしょうが、そんな事態はそれこそ現実的ではありませんしね。<br />　つまり、特定の事物に対する信仰というものが確立する為には、過去の事例や伝承のみでは不充分なのです。<br /><br />　ならば、「箱舟信仰」などという代物が立脚される為には、他に何が必要なのでしょうか？<br /><br />　考えてみて下さい。もし聖書の中に、世界を飲み込む二度目の大洪水が訪れると記されていれば、恐らく我々の世界でも「箱舟信仰」は存在できます。<br />　ですが実際には、「Noahの箱舟」が登場するのは「創世記」のみの話です。だから我々にとって、「箱舟信仰」は確立され得ない。<br />　洪水伝説というのは、古くは古代メソポタミアの「ギルガメッシュ叙事詩」にまで遡るもので、それがユダヤ教、そしてキリスト教やイスラム教にまで取り入れられたものだとされていますが、これらの内のただ一つとて、大洪水の再来を謳っているものは有りません。<br />　だとしたら、これを逆説的に捉える事によって、必要とされるものが自ずと見えてきます。<br />　そう、それが「予言」や「預言」でも構いません。特定の人間が信じるに足る言葉によって、「未来」に於いてその事物が救済や利益をもたらすという、何らかの確約が要求されるのです。<br /><br />　それを踏まえた上で、どうすれば「箱舟信仰」という代物が確立され得るのか、改めて考え直してみましょう。<br />　単にソロルやフラーテルらの境遇のみを鑑みるならば、これは別に難しいことではありません。<br />　閉鎖環境を作ることによって情報から隔絶させ、『箱舟』こそが自分たちを救うものであると刷り込む（洗脳する）だけで済むのですから、それなりの組織力を持ってすれば如何ようにもなる筈だからです。<br />　しかし、そうだとするならば、その環境を造り上げる側の者達が、どういった目的や理由で『箱舟』を手段として用いたのかという点を明らかにしなければ、この仮説は完璧ではありません。<br />　普通に考えてみて、孤児達を集めて集団洗脳を施すような同様の環境を構築したいだけならば、新たに「箱舟信仰」なるものを打ち立てるよりも、既存の巨大宗教を利用した方が遙かに容易であり、加えてリスクも少ないのは明白です。<br />　絶対的に教義を信じさせるには、例え外部に出た時にも普遍的に存在する教えを断片化し、より純化させた代物を徹底的に叩き込んだ方が、盲信という呪縛から解き放たれる確率は低くなりますからね。<br />　ですから、「信仰」を植え付けようとする側にとってさえ、それを用いるだけの根拠は必要なのです。だとしたら、確かに存在するより安易な手段ではなく、彼らが『箱舟』を選択するに至るだけの理由は、何処にあるというのでしょうか？<br /><br />　私の知識が及ぶ限り、現実的な視点からでは、これに対する答えは得られませんでした。<br />　根拠となるだけの情報が存在しないのですから、どう足掻いても想像や推測の域から逸脱できないのです。<br />　それはつまり、現実的な視点を捨て去らない限り、「箱舟信仰」の存在を是認する事が出来ないという事でもあります。<br /><br />　では、答えを外の求めてみたら、果たしてどうでしょうか？<br />　現実世界には存在しない。エリ組全体に目を向けてみても、その中からは見つからない。では、その外側、SH世界に視線を転じてみれば……？<br /><br /><br />　そうなんです。『大洪水の再来』を「未来」に於いて確約する、そのファクターと成り得る事物は、SH世界限定であれば存在するのですよ。<br />　「終焉の洪水」を、来るべき「史実」として断定する、あの書物。そう、『黒の予言書』です。<br /><br />　お解り頂けるでしょうか？<br />　<strong>『黒の予言書』が存在すると考えれば、「箱舟信仰」は確立され得ます</strong>。逆に言えば、「箱舟信仰」が存在する為には、『黒の予言書』が必要不可欠。 <br />　なんともはや、<strong>「箱舟信仰」にとって、『黒の予言書』は不可分の代物</strong>だという結論に至らざるを得ないのですよ……。 <br /><br /><br />　そうやって両者間をリンクさせて考えてみますと、なるほど、納得できる点も見受けられます。<br />　おそらくは孤児達を集めた収容施設内での話であろう「Ark」の環境は、ルキアの言う「孤児であるボクを拾って養育した組織」や「組織には似たような奴が何人も居た」という台詞とも符合します。<br /><br />　些か寓意的ながら、「Ark」に於ける『箱庭を騙る檻』の目的が、仮に《黒の神子》選定プログラムのようなものだと考えれば、孤児達を集め被験体として扱っている事への説明にもなりはしないでしょうか？<br />　だとすれば、ルキアとソロルらが友達同士であった可能性も出てきます。そういえば彼女達の服装って、カラーリングやインナーのデザイン、ネクタイの有無こそ違え、似たようなセーラータイプの服だったりもするんですよね…。<br />　ひょっとして、ルキアが「組織に疑問を抱いた」要因の一つが、ソロルとフラーテルの事件だったりするのか…？<br /><br />　などなど。アナロジーは幾らでも出てきますが、これらがロジックを補強する事は無いので、ここらで止めておきましょう。それでは考察ではなく妄想ですからね。<br /><br />　ですが、以上の事から、これだけは断言しても良いと判断しました。<br />　「箱舟信仰」と「黒の教団」は、明らかに何らかの関連を持っている筈であると…。<a name="more"></a>

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<title>「Sacrifice」 -どうやって村人を鏖殺したのか-</title>
<description> 実は前々から気になっていたんですがね……。  「Sacrifice」のラスト、姉が『村中に火を放った』と解釈してる人が、あまりに多すぎやしませんか？  いや、別にそれを完全に否定しようというのではないのです。  私としても、『最終的には』そうしたであろうという蓋然を認めるには吝かではありません。 しかし、“どうやって”という部分がすっぽり抜け落ちているのでは、数学で途中式を書かずに解だけ述べるようなものであって、些か受け入れ難い。 はっきりとした場所や時代は不明ですが、狭苦...</description>
<dc:subject>Elysion ～楽園幻想物語組曲～</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-07-30T10:43:55+09:00</dc:date>
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　実は前々から気になっていたんですがね……。 <br />　「Sacrifice」のラスト、姉が『村中に火を放った』と解釈してる人が、あまりに多すぎやしませんか？ <br /><br />　いや、別にそれを完全に否定しようというのではないのです。 <br />　私としても、『最終的には』そうしたであろうという蓋然を認めるには吝かではありません。<br /><br />　しかし、“どうやって”という部分がすっぽり抜け落ちているのでは、数学で途中式を書かずに解だけ述べるようなものであって、些か受け入れ難い。<br />　はっきりとした場所や時代は不明ですが、狭苦しい日本ではないのは確かです。人口の密集する都市部や何かではなく、「村」であるならば、隣家まで数百メートルとか、下手したら数キロあってもおかしくはない。<br />　ましてや木造建築である事すら想像し難いのですから、火が燃え広がるという状況すら、ほぼ有り得ない。<br />　そんな条件下で、たった一人の、しかも女性が、どうやって村全体に火を放てるんですか？　それも、村人の妨害も受けずに。<br /><br />　この点の不自然さを補う為に、『姉が魔女であり、魔法で火を放った』などという説を展開している方も見掛けましたが、そんなものは論外です。<br />　確かにSH世界には『魔法』の入り込む余地も存在しますが、Abyssサイドの他の４曲と比較しても、「Sacrifice」にだけそれを適用するのは明らかに不自然でしょう。「姉＝魔女」説は体の良い“逃げ”であり、現実的な視点による模索を放棄した、単なる思考停止の産物に過ぎません。<br /><br />　だって、有るじゃないですか。<br />　『火炙り』なんていう発想が簡単に出てくるような、『キリスト教の影響が色濃い時代』のヨーロッパであろうと思われる、『村』という閉鎖的な環境なんですよ？<br />　これだけ条件が揃ってれば、現実的かつ合理的であり、なおかつ女性一人でも可能な方法で、村人全員を一網打尽にできますとも。<br /><br />　これだけ条件を並べ立てれば、皆さんにもお判りでしょう。<br />　<strong>安息日</strong>なり<strong>祝祭日</strong>なり、<strong>ミサの執り行われる日と時間</strong>を見計らって、<strong>教会</strong>に火を掛ければ良いんですよ。<br /><br />　現代人、ましてや日本人である我々にはピンと来ませんが、中世ヨーロッパ（だと思われる）に於いて、尚かつ体質として閉鎖的になりがちな「村」という単位ともなれば、キリスト教の戒律は“絶対”であり“責務”です。<br />　死に瀕するような重症を負っていたり、寝たきりで動く事すらままならないといった特別な理由でもない限り、ミサを欠席などしようものなら即座に弾劾されます。それこそ、『悪魔の使い』か『魔女』呼ばわりでもされて。<br />　つまり、<strong>最低でも週に一度は必ず、村中の人間が教会に集まる</strong>のです。だったら話は簡単じゃないですか。<br /><br />　ミサの時間を見計らい、教会の出入り口をかんぬきでも使って封鎖。建物一つが火に包まれるような燃え種なら、人が生活している場所であれば改めて用意するまでもありませんでしょうから、後は少々の油と火があれば充分です。それくらいの労力であれば、女性一人でも何ら問題はありません。<br />　普通なら、ミサに出席していない人間が容認される事はないでしょうが、妹を火炙りに掛けられたばかりのサクリ姉の姿が見えなかろうと、村人は誰一人として疑問には思わなかったでしょう。それはつまり、妨害される要素がないという事です。<br />　中世のヨーロッパ、そして僻地の教会であれば、明かり取りの天窓やステンドグラスくらいはあったにしても、普通の硝子窓すら有った可能性は低い。正面玄関と裏口でも封鎖してしまえば、それだけで教会内の人間は逃げ場を失います。<br />　加えて、これは地域などにもよりますが、教会の出入り口というのは神聖な力が逃げ出さぬようにと小さく作られる事も有り、その場合であれば尚のこと封鎖が容易となります。<br /><br />　ほら、現実的かつ合理的な方法で、求めるべき解が得られましたでしょう？<br />　村中に火を放つとしたら、その後でやれば良い。どれだけ時間を掛けようと、もう彼女の邪魔をする存在は居ないのですから。<br /><br />　エリ組のジャケットイラストにも、良く目を向けてみて下さい。<br />　燃えているのは、教会らしき建物一つです。<a name="more"></a>

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<title>『涯景』～澪音の世界～ Part2</title>
<description> 男の声も無き呻吟に誘われでもしたのだろうか。蕩々と降りしきる小雨を道連れに、その少女は現れた。 彼の末の娘と同じ年頃と思しき、まだあどけなさが印象に先立つ容姿。だが、目を患ってでもいるのか、彼女の双眸は長い睫毛に縁取られた目蓋に閉ざされていた。 白い繊手には一本の頑丈そうな赤紐が握られており、その先には、舌を出して白い息を吐き続ける一匹の犬が繋がれている。それは彼の見た事のない犬種だったが、見事な黒銀の毛並みと黄銅の鋭い眼が酷く印象的だった。見たところ、黙祷を捧げるかのよう...</description>
<dc:subject>番外 -Short Story-</dc:subject>
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<dc:date>2005-07-20T20:03:31+09:00</dc:date>
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　男の声も無き呻吟に誘われでもしたのだろうか。蕩々と降りしきる小雨を道連れに、その少女は現れた。<br />　彼の末の娘と同じ年頃と思しき、まだあどけなさが印象に先立つ容姿。だが、目を患ってでもいるのか、彼女の双眸は長い睫毛に縁取られた目蓋に閉ざされていた。<br />　白い繊手には一本の頑丈そうな赤紐が握られており、その先には、舌を出して白い息を吐き続ける一匹の犬が繋がれている。それは彼の見た事のない犬種だったが、見事な黒銀の毛並みと黄銅の鋭い眼が酷く印象的だった。見たところ、黙祷を捧げるかのように瞳を閉ざした少女が危なげなく歩けるのは、この主人に忠実なる気高き獣の為らしかった。<br />　その来訪は、彼にとって驚きと戸惑い、そして小さな喜びを伴う出来事だった。<br />　この得体の知れない場所に、他にも人間が居たという安堵。少女達が地を踏みしめる足音だけは、不思議と己の耳にも届いたという訝しさ。何より、先程から聞こえていた声の主が、目の前の少女なのではないかという疑念。<br />　しかしそれらは、ともすれば崩壊の寸前にあった彼の精神にとって、確かな救済の手に他ならなかった。得てして、自我の確立には他人という存在を必要とする。それ故、例え相手の素性が判然としなくとも、誰かが其処に居るという事実の重みに比べれば、彼にとって大した問題ではなかった。<br />　だが、いったいどうしたものだろうか。少女に声を掛けようにも、今の彼にはその術が無い。目の見えぬ相手に己の存在を報せる手段は、尽く封じられたままなのだから。<br />　そもそも彼は、今の己に実体のようなものが在るのかどうかすら、確証を持てぬままの状態なのだ。少女が何も気付かずに通り過ぎてしまう可能性の方こそ、かなりの確率を占めるのではなかろうか。<br />　されど、そうした先頃までのものとは別種の不安感が、彼の内で首をもたげかけた瞬間、少女を先導する従者の方が不意に四つ足の歩みを止め、まるで子供に優しく語りかけるかのような調子で、小さく吠えたではないか。<br />　ふと、犬の吠え声などに、そんな感覚を受けるのを奇異に思った彼であったが、その聴覚が奇妙な言葉を耳にするに至り、唖然とせずには居られなかった。<br />「そう。此処に居るのね。ありがとう、アグワット」<br />　まるで犬と会話が成立しているかのような、その物言い。この年頃の少女らしからぬ、妙に大人びた凛然とした声音。<br />　しかし、重要なのはそんな事ではなかった。始めから彼の居場所を探していたかのような台詞が示す、その意味は……。<br />「こんにちわ、おじさん。今日も良い天気だね」<br />　そう、尚も降りしきる雨の中に佇みながら、頭頂から爪先まで唯の一カ所も濡れてはいないこの少女こそ、最前の声の主に他ならぬ事を示唆していた。<br /><br />（君は……何者なんだ？　君は、此処がどこだか判るのかね？）<br />　この娘が先程の声の主であるなら、こちらの考えている事は理解できる筈だ。そう思い、彼は脳裏で質問の言葉を口にしていた。<br />　果たして、それは予想した通りの結果を彼にもたらした。<br />「ふうん。呑み込みが早いんだね、おじさん。大抵の人はワタシを見ると、支離滅裂に喚き立てるだけなのに」<br />　鈴を鳴らすような声の中に、ほんの少しの驚きと、それと同じ分量の楽しげな調子を混合させて、少女は口元を綻ばせた。けれどそれは、彼の問いに対する答えではなく、単に彼女の感想を述べているだけのものだ。<br />　こちらの事情など全て理解していると思われる相手にこの様な態度で接され、もともと気に長い方ではなかった彼は猛然たる怒気を覚えた。<br />（ふざけるなよ小娘が！　私を誰だと思っている？　私はあの……）<br />　だが、激昂するままに罵声を投げつけようとした、その時。<br />「とある国の公爵閣下。お妃様を誑かして王様を暗殺し、王家に女の子しか居なかったのを良い事に自分の息子を王位に着け、岳父として国政を壟断。自分が気に入らない人間は、どんなに功績のあった人でも首を切った、とっても怖い人。でしょう？」<br />　先を遮るように、少女がつらつらと並べ立てたその内容に、彼は完全に二の句が継げなくなってしまった。それは全て、客観的な真実に他ならなかったのである。少女が見透かしているのは、何も言葉として考えた事のみではなかったのだ。<br />「ワタシが知ってるの、不思議そうだね？　でもね、おじさんには見えてるでしょう？　どんなに隠そうとしても、この場所がワタシに全部教えてくれるんだよ。だって此処は……」<br />　全てが丸裸にされているのだという事実に愕然とし、次いで凄まじいまでの恐怖が込み上げた。辛うじて取り繕っていた彼の冷静さは、この瞬間に至極あっさりと瓦解した。もはや言の葉としての体裁すら整わぬ雑然たる思考の波が、感情という灯火を支柱にして紡がれ、ただ傲然と彼の周囲を吹き荒れた。<br />「なんだ。結局はおじさんもそうなっちゃうんだね。そんな事しても、もう手遅れなんだよ？」<br />　しかし、少女の声はもう、彼には届かないようだった。暫し可愛らしく小首を傾げていた彼女は、そうと知って小さな溜息を吐くと、手にしていた赤い紐を軽く引っ張り、その場に座り込みじっと男を凝視していた――男の居ると思しき場所を確かに認識していた――四つ足の友の名を呼んだ。<br />「アグワット！」<br />　その声に応えるように、黒銀の犬がけたたましく吠え立てた。途端、嵐のように荒れ狂っていた感情の渦が一瞬で霧散し、彼は魂の抜けきったような思いで再び少女とその従者の姿を目にしていた。<br />　いったいこれは、何の冗談なのだろうか。夢にしては妙に現実味があるし、その癖、実感として残るようなものは欠片も存在しないのだ。己はとうに気が違ってしまっているのではないかという思いが、彼の胸中を静かに満たし始めていた。<br />「そう、良い子だから静かにね。心を穏やかに落ち着けて、ありのままを受け入れるの」<br />（そうだ。これらも全て、己の狂気が生み出した幻想に相違ない。この様な場所がある筈もないし、ここには私以外に誰も居ないのだ。ああ、そうか。きっと私は疲れているのだな。目が覚めたなら、地中海の望める別邸にでも……）<br />　しかし、少女の言葉は再び無為と化した。狂気の一歩手前にまで達してしまった彼の精神は、僅かに残された感覚が伝えてくる事象の全てさえ、受け入れる事を拒否してしまっている。<br />　これでは駄目なのだ。少女の担う役目にとって、混沌とした雑念は邪魔な要素でしかない。<br />　鏡のように凪いだ湖面の如き、安定の極みたる秩序だった心。それを確立した者でなくば、あの場所に連れて行く訳にはゆかぬのだから。<br />「……駄目、みたいだね。いいよ。だったら、ワタシもいつものようにするだけだから」<br />　ならば、どうするのか。囂々と渦巻いた妄念を払拭するには、どの様な手段が効果的だろうか。<br />　その為に少女がいつも選択するのは、極めて効率的でありながら、限りなく無慈悲な代物だった。<br />　究極の安定は、“無”にも同義。ならば一度、全てを壊してしまえば良いのだ。<br />「おじさん」<br />　その声は、今までのものとは何処か違う響きを持っていた。言うなれば、強制力のようなものを秘めていたようだ。<br />　そうと知れたのは思考が明瞭さを取り戻し、視界いっぱいに少女の整った顔立ちを映し出している事に、彼が気付いたからだった。<br />　そして、ついにそれは始まった。<br />（なん……なのだ……？　これ……は……）<br />　閉ざされていた、否、“閉ざされなくばならなかった”少女の瞳が、今にも開かれようとしていた。<br />　彼の奥底に眠っていた勘が、生物としての本能が、煩いほどに警鐘を鳴り響かせていた。<br /><br />――見るな。見てはいけない。“それ”を、私に見せないでくれ！<br /><br />　けれども、彼の意思に従う肉体はとうに朽ち果て、視界を遮る術は何一つ存在しない。<br />　須臾と刹那を重ねる間に、少女の目蓋が静かに上げられてゆき……。<br />　薄水色の虹彩に縁取られた、その氷の様な瞳を彼の網膜が映し出した瞬間、彼はそれを見出した。<br />　記憶が甦る。昨夜、寝台に身を横たえようとしたその時、左胸に猛烈な痛みを覚え、そのまま私は……。 <br />　狂気に満ちた鶏鳴の如き絶叫が、静寂に支配された廃墟を切り裂く。そして、彼の“世界”は完全に崩壊した。<br /><br />　何処までも続く荒野。ぽつねんと佇む、一人の少女。<br />　正確には、傍らには忠実なる四つ足の友。見事な黒銀の毛並みを震わせ、飼い主たる彼女に小さく吠える。<br />「そうだね。往こうか、アグワット」<br />　そして、彼女は歩み始めた。延々と眼前に映し出される地平線を目指し、終わる事の無い旅路を。<br />　これまでも。これからも。<br />　唯、人の世が終わるまで……。<br /><br />　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『涯景』　了<a name="more"></a>

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<title>『涯景』～澪音の世界～ Part1</title>
<description> その目覚めに当たり、彼を襲ったのは不可解な違和感だった。 奇妙に身体が浮いているような感覚、とでも言うのだろうか。まるで無重力空間を遊泳しているような――彼には一度もそんな経験は無いが――なんとも形容し難い不安定さを感じずには居られなかったのだ。 ごく稀にではあるが、夢の内容などによっては眠りからの覚醒の間際に落下感を覚え、はっと目を覚ますというような経験もある事から、始めはそうしたものの亜種であろうかとも考えた。 しかし、この不快な感覚は瞬間的に訪れるものにあらず、酷く永...</description>
<dc:subject>番外 -Short Story-</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-07-20T20:01:33+09:00</dc:date>
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　その目覚めに当たり、彼を襲ったのは不可解な違和感だった。<br />　奇妙に身体が浮いているような感覚、とでも言うのだろうか。まるで無重力空間を遊泳しているような――彼には一度もそんな経験は無いが――なんとも形容し難い不安定さを感じずには居られなかったのだ。<br />　ごく稀にではあるが、夢の内容などによっては眠りからの覚醒の間際に落下感を覚え、はっと目を覚ますというような経験もある事から、始めはそうしたものの亜種であろうかとも考えた。<br />　しかし、この不快な感覚は瞬間的に訪れるものにあらず、酷く永続的なものだった。いや、それも違う。真に正しく言うなれば、これは……。<br /><br />――何も感じない？<br /><br />　瞬間、脳裏に浮かびかけた内容を、誰かの声で的確に言い当てられた。<br />　驚愕に跳ね起きようとした途端、彼はそれが適わぬ事に再度愕然とする事となる。数十年の時を経て、多少は衰えたといえど尚も頑健が自慢であった己の身体が、主人たる彼の意思を完全に裏切っていたのだ。<br />　ところが、一つだけ自由になったものがあった。視覚だ。両の眼（まなこ）だけはしっかと見開かれ、彼に目の前の、周囲の風景の断片を明確に伝えてきた。<br />　されど、それは彼の精神に途方もない打撃を加え、余りの事に思考の一切が白光に染め上げられてしまった。<br />　そこに見たものは、一面の蒼空。染み入るような深い青味を備えた天の海原が、ただ延々と彼の視界を埋め尽くしていたのである。<br />　彼にとって、それは有り得ざる光景だった。昨夜はいつもと同じように家族と過ごし、子供達におやすみのキスをした後、妻と共に寝室のベッドに入った筈なのだから。それはもう、何年も続けられてきた習慣であり、記憶を違えるような事は絶対に考えられなかった。<br />　だが、現実にはどうだ。自分は何処とも知れぬ場所に横たわり、広漠たる青空を見上げている。<br />　とりとめもなく紡がれた思考がそれを認識し、彼はようやく我に返った。<br />（そうだ。此処はいったい、何処なのだ。まずはそれを確認しなくては……）<br />　そう思い至った瞬間、彼は悲鳴をあげそうになった。否、正確にはあげた筈だった。<br />　首を廻らせたという感覚をまるで感じぬままに、ただ視界だけが彼の意に従って方向を変えたのである。<br />　そうなのだ。未だに彼には、感覚というものが戻ってくる徴候が無かった。眼前に空が広がっているのならば何処かに横たわっているはずなのに、背中に柔らかなシーツの感触や、はたまた此処が実は剥き出しの地面であるとかいった風に、身体に感じるべきものが一切消え去ったままなのだ。<br />　それでいて、眼球は己の意志に添って映像を伝えてくる。が、今度は目を閉じる事が出来なくなっている事に気付いた。今の彼には、ただ一度の瞬きをする事でされ、決して適わぬ行為と成り果てていた。<br />　故に、それは彼の目に飛び込んできた。長い年月を風雨に晒されて来たと思しき、ギリシアか何処かの神殿を思わせるような列柱が居並んでいるかと思えば、これも朽ち果てた宮殿や教会を連想させるような豪奢な建築物が、彼の周囲を囲むかのように無造作に並んでいた。<br />　これが何処かの異国であれば、どれほど彼は救われる思いだっただろうか。しかし、そこに在ったのは文化も時代もまるで脈絡のない、ただ雑然とした無秩序さを誇っているではないか。<br />　しかも、過去の偉容を偲ばせるとはいえ、その全てがもはや見る影もない状態なのだ。少なくとも彼の知識と記憶の限りでは、この様な場所は地上の何処にも存在しない筈だった。<br />　ならば、なぜ己はこのような所に横たわっているのだろうか。自分の屋敷でも、ましてや故郷の街ですらない、この異様な場所で。<br /><br />――待っててね。今、其処に行くから。<br /><br />　言い知れぬ寂寥と不安が胸に込み上げようとした瞬間、またもそんな声が聞こえてきて、彼の息を――呼吸をしている感覚すら彼は失っていたが――詰まらせた。<br />　だが果たして、それは声と呼んで良い物なのだろうか。少なくともそれは物理的な音の波となって鼓膜を震わせるものではなく、彼の意識に直接呼び掛けてくるような代物であったのだから。<br />　声の主を確かめようと、彼は再び周囲へと視線を巡らせた。しかし、目に飛び込んでくるのはちぐはぐな廃墟の姿だけで、人影らしきものは一つも見当たらない。そして、首を動かしているという感覚は戻らぬばかりか、明らかに関節の可動領域を越えた位置にあると思われる風景までが視覚として捉えられ、彼をいっそう混乱させるだけに終わった。<br />　改めて考えてみれば、これほど自由に視界を動かせるにも関わらず、己の身体はと言えば指先の一部すら映像として映し出される事がない。肉体の感覚は尚も一切が途絶えたままであり、その上、唯一自由になる視覚にも捉えられぬとあっては、もはや彼は己が本当に存在しているのかさえ疑わしくなっていた。<br />　何も感じない。ただそれだけの事が、これほどの不安を呼び起こすものなどとは、もともと現実主義的な傾向が強かった彼には想像もできぬ事だった。<br />　孤独感。寂寥感。そして無力感。時間が経過するにつれ強くなる、それらの感覚。<br />　不思議な事に、肉体的な感覚は僅かなりとも残されていないというのに、精神的なものは全てが完璧に備わっていた。だが、もしそれが神の差し伸べた憐れみの手であるとすれば、それは慈悲の産物ではなく、無慈悲なる嘲弄に等しかった。<br />（神よ！　奪うのであれば全てを奪って下さい！　これでは余りにも残酷です！）<br />　知らず、彼は声ならぬ声で祈りを捧げていた。ひたすらに名誉を求め、他の貴族達との権力闘争に明け暮れ、それに付随する金銭的な充足に身も心も捧げた彼にとって、それは幼少期以来の祈りの言葉。実に数十年ぶりに、彼は神の御名を唱えていた。<br />　無論、そのような不信心者に応える神が居る筈もない。彼自身とて、それは心の奥底で自覚していた。<br />　だからこそ余計に、一度綻びを生じた精神が瓦解してゆくのは早かった。彼は涙も流さずに咽び泣き、声も洩らさずに嗚咽した。<br />（助けてくれ！　此処から、この何も無い廃墟から、誰か私を救い出してくれ！）<br />　それがどれほど厚顔で恥知らずな想いであったとしても、今の彼にはそう願う他に不安を紛らわせ、心を維持する手段を見出せなかった。<br />　そんな彼の、精神的な曇天を映し出したのだろうか。あれほど澄み切っていた筈の空はいつの間にか黒雲に覆われ、静かに雨が降り始めていた。<br /><br /><a href="5227991.html">続きを読む</a><a name="more"></a>

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<title>「碧い眼の海賊」</title>
<description>〈美の女神〉「ウェヌス／Venus（ラテン語・ローマ神話・ギリシア神話に於けるヴィーナス）」〈戦の女神〉「パラス・アテネ／Pallas Athene（ラテン語・ローマ神話・ギリシア神話に於けるアテナ）」〈地中海〉「メディティレーニオ／Mediterraneo（イタリア語）」〈絶世の美女＝海の女神号〉「ウェヌス・レティーシァ／Venus Laetitia」バックコーラス「Haw l'altero l'altero! Haw l'altero l'altero hoo! hoo!...</description>
<dc:subject>歌詞解説</dc:subject>
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<dc:date>2005-07-20T19:58:54+09:00</dc:date>
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<strong>〈美の女神〉</strong><br />「ウェヌス／Venus（ラテン語・ローマ神話・ギリシア神話に於けるヴィーナス）」<br /><br /><strong>〈戦の女神〉</strong><br />「パラス・アテネ／Pallas Athene（ラテン語・ローマ神話・ギリシア神話に於けるアテナ）」<br /><br /><strong>〈地中海〉</strong><br />「メディティレーニオ／Mediterraneo（イタリア語）」<br /><br /><strong>〈絶世の美女＝海の女神号〉</strong><br />「ウェヌス・レティーシァ／Venus Laetitia」<br /><br /><strong>バックコーラス</strong><br />「Haw l'altero l'altero! Haw l'altero l'altero hoo! hoo!」<br />（さあ、漕ぐぞ、漕ぐぞ！ さあ、漕ぐぞ、漕ぐぞ、それ！ それ！　※イタリア語）<a name="more"></a>

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<title>「聖戦と死神」の地名</title>
<description> 「聖戦と死神」で主に登場する「ガリア／Garia」の地名は、実際に存在するもの、又はそのもじりです。「ブリタニア／Britania」 ブリトン島のローマ帝国統治時代の呼称、[Britannia]のもじり。現在のイギリス。「ベルガ／Belga」 広い意味での北フランス以北に暮らしていた人々、[Belgae]人のもじり。 [Belgae]はケルト語で「戦士」の意。現在のベルギー。「フランドル／Flandre」 現在のベルギーに在る地名。「フランダース」と言った方が馴染み深いでし...</description>
<dc:subject>SH基礎知識 etc</dc:subject>
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<dc:date>2005-07-20T19:46:21+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　「聖戦と死神」で主に登場する「ガリア／Garia」の地名は、実際に存在するもの、又はそのもじりです。<br /><br /><br /><strong>「ブリタニア／Britania」</strong><br />　ブリトン島のローマ帝国統治時代の呼称、[Britannia]のもじり。現在のイギリス。<br /><br /><strong>「ベルガ／Belga」</strong><br />　広い意味での北フランス以北に暮らしていた人々、[Belgae]人のもじり。<br />　[Belgae]はケルト語で「戦士」の意。現在のベルギー。<br /><br /><strong>「フランドル／Flandre」</strong><br />　現在のベルギーに在る地名。「フランダース」と言った方が馴染み深いでしょうか。<br /><br /><br />　などなど、全てが西ヨーロッパ各地に実在するものばかり。<br />　時間とお金に余裕のある方は、「聖戦ツアー」へ出掛けてみては如何でしょうか？<a name="more"></a>

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<title>おまけデータ</title>
<description> 「Chronicle 2nd」以前のCDには、PCで視聴可能なおまけデータが収録されています。CDを挿入 ↓マイコンピュータ ↓CDを挿入したドライブのアイコンを右クリック ↓エクスプローラ 以上の手順で。</description>
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<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-07-20T19:44:25+09:00</dc:date>
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　「Chronicle 2nd」以前のCDには、PCで視聴可能なおまけデータが収録されています。<br /><br /><br />CDを挿入<br />　↓<br />マイコンピュータ<br />　↓<br />CDを挿入したドライブのアイコンを右クリック<br />　↓<br />エクスプローラ<br /><br /><br />　以上の手順で。<a name="more"></a>

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<title>シークレットトラック</title>
<description> 「Elysion ～楽園幻想物語組曲～」には、Track44にシークレットトラックが存在します。 そこで投げ掛けられる命題に、アナタはどんな答えを見出したでしょうか？</description>
<dc:subject>SH基礎知識 etc</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-07-20T19:42:01+09:00</dc:date>
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　「Elysion ～楽園幻想物語組曲～」には、Track44にシークレットトラックが存在します。<br /><br />　そこで投げ掛けられる命題に、アナタはどんな答えを見出したでしょうか？<a name="more"></a>

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<title>垂直に堕ちれば其処は…</title>
<description>「Ark」、「Baroque」、「Yield」、「Sacrifice」、「StarDust」 以上の5曲の頭文字を並べると、「ABYSS」になります。 「エルの楽園→side:A→」に於ける、「四つのエルに惑わされずに～」という台詞は、これを示唆しているんですね。</description>
<dc:subject>SH基礎知識 etc</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-07-20T19:40:58+09:00</dc:date>
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「<span style="color:#FF0000;">A</span>rk」、「<span style="color:#FFCB00;">B</span>aroque」、「<span style="color:#00FF00;">Y</span>ield」、「<span style="color:#00CBCB;">S</span>acrifice」、「<span style="color:#FF3298;">S</span>tarDust」<br />　以上の5曲の頭文字を並べると、「ABYSS」になります。<br /><br />　「エルの楽園→side:A→」に於ける、「四つのエルに惑わされずに～」という台詞は、これを示唆しているんですね。<a name="more"></a>

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<title>discography</title>
<description>2001年12月コミックマーケット61に、同人音楽サークルとして初参加。1st Concept Story CD「Chronicle」リリース。2002年7月コミックマーケット62にて、2nd Story CD「Thanatos」リリース。メインボーカルとして、Aramaryが初参加。12月コミックマーケット63にて、3rd Story CD「Lost」リリース。男性ボーカル及びナレーションとして、Jimangが初参加。2003年5月M3-2003春(第11回)にて、1st ...</description>
<dc:subject>Sound Horizonについて</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-07-20T19:36:55+09:00</dc:date>
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<strong>2001年</strong><br /><br /><strong>12月</strong><br />コミックマーケット61に、同人音楽サークルとして初参加。<br />1st Concept Story CD<strong>「Chronicle」</strong>リリース。<br /><br /><br /><strong>2002年</strong><br /><br /><strong>7月</strong><br />コミックマーケット62にて、2nd Story CD<strong>「Thanatos」</strong>リリース。<br />メインボーカルとして、Aramaryが初参加。<br /><br /><strong>12月</strong><br />コミックマーケット63にて、3rd Story CD<strong>「Lost」</strong>リリース。<br />男性ボーカル及びナレーションとして、Jimangが初参加。<br /><br /><br /><strong>2003年</strong><br /><br /><strong>5月</strong><br />M3-2003春(第11回)にて、1st Pleasure CD<strong>「Pico Magic」</strong>リリース。<br /><br /><br /><strong>8月</strong><br />コミックマーケット64にて、2nd Pleasure CD<strong>「Pico Magic Reloaded」</strong>リリース。<br /><br /><br /><strong>2004年</strong><br /><br /><strong>3月</strong><br />1st Story Renewal CD<strong>「Chronicle 2nd」</strong>リリース。<br />インターネットと一部販売店での販売のみでありながら、10,000枚を超えるセールスを記録。<br /><br /><strong>9月</strong><br />メジャーデビューアルバム<strong>「Elysion ～楽園への前奏曲～」</strong>の発売決定。<br />発表直後、Amazon予約ランキング(全カテゴリ)で1位を記録。<br /><br /><br /><strong>10月</strong><br /><strong>「Elysion ～楽園への前奏曲～」</strong>をベルウッドレコードよりリリース。<br />発売日のオリコンデイリーアルバムチャートにて14位、発売週のウィークリーアルバムチャートにて35位を記録。<br /><br /><br /><strong>2005年</strong><br /><br /><strong>4月</strong><br />4th Story CD<strong>「Elysion ～楽園幻想物語組曲～」</strong>ベルウッドレコードよりリリース。<br />発売日のオリコンデイリーアルバムチャートにて10位、発売週のウィークリーアルバムチャートにて29位を記録。<a name="more"></a>

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<title>『白鴉』が象徴するもの</title>
<description> 『白鴉』という表現が最も強く物語っているのが、本来あるべき形から離れている存在という意味合いであるのは、敢えて言葉にするのが躊躇われるほど自明の事です。 ただ、この表現の秀逸な点は、単にマイノリティ的な意味合いを持たせるだけに留まらず、「黒」と「白」という完全に対極のものを対比させる事によって、より相克的なイメージを与えている点でしょう。 皆さん、「黒い動物」と言われて、ぱっと思い浮かぶものは何でしょうか？ 黒猫とかでは、別に猫なら黒に限ったものではありませんし、他の動物に...</description>
<dc:subject>Chronicle 2nd</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-07-16T21:49:16+09:00</dc:date>
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　<strong>『白鴉』</strong>という表現が最も強く物語っているのが、本来あるべき形から離れている存在という意味合いであるのは、敢えて言葉にするのが躊躇われるほど自明の事です。<br />　ただ、この表現の秀逸な点は、単にマイノリティ的な意味合いを持たせるだけに留まらず、「黒」と「白」という完全に対極のものを対比させる事によって、より相克的なイメージを与えている点でしょう。<br /><br />　皆さん、「黒い動物」と言われて、ぱっと思い浮かぶものは何でしょうか？<br />　黒猫とかでは、別に猫なら黒に限ったものではありませんし、他の動物にしても同じでしょう。種の総体的な特徴として「黒」という色を必ず備えている動物となりますと、少なくとも私の浅薄な知識では、鴉しか思いつきません。<br />　一応、居るには居るんですが、直接的には「黒」というイメージと結び付かないんですよね…。<br /><br />　「Chronicle」世界に於ける絶対律とも呼ぶべき“歴史＝運命”は、『黒の予言書』という一個の存在に具象化されています。<br />　ならば、それに対立するのが「白」を司るものであるというのは非常に明瞭に連想できるのですが、そこへ“本来は「黒」に属する”筈の例外的な存在を引き合いに出す事で、一層奥深い対比を演出しているのですね。<br />　この点のみを見ただけでも、Revo氏の言葉選びのセンスの良さが光ります。<br /><br />　こうして、対立的な印象を克明にした結果、『白鴉』という表現からは、多くのニュアンスを酌み取る事が可能となっています。<br /><br /><strong>１．</strong>抵抗および非服従<br /><strong>２．</strong>不屈なる意志<br /><strong>３．</strong>反体制的な思想<br /><strong>４．</strong>自由への開放<br /><strong>５．</strong>淘汰されるべき異端<br /><strong>６．</strong>絶望的なまでの勢力の多寡。<br /><br />　そして更に付け加えるならば、<strong>「希望の光」</strong>とでもいったところでしょうか。私の語彙が及ぶ範囲では、ざっと以上のようになります。<br />　これらは全て「黒＝対抗勢力」との対比という視点に基づいていますが、その上で各曲の登場人物にこれを照らし合わせてみますと、実に良く嵌るんです。<br /><br /><strong>ルーナ＆エンディミオ</strong>＝１．２．３<br /><strong>アルヴァレス</strong>＝２．４．５．６<br /><strong>ローザ</strong>＝１．２．４．６<br /><strong>ジュリエッタ</strong>＝１．５．６<br /><strong>レティーシア</strong>＝１．３．４．５<br /><strong>「雷神」の少年</strong>＝１．４．６<br /><strong>ルキア</strong>＝１．２．３．４．５．６<br /><br />　かなり曖昧な部分もありますが、この様な感じでしょうか。別に狙っていた訳ではなかった筈なのですが、ルキアはパーフェクト達成です。<br />　まあ、それもその筈で、「黒の教団」が生んだ異端児である彼女は、『白鴉』を最も象徴している個人ですからね。<br /><br />　この様に、『白鴉』はレジスタンス的なスタンスに立つ人物に対する、象徴としての意味合いが強く、クロセカ世界に実在する超常的な存在とは、少々考え難いように思います。<br />　ファンタジー的な視点で捉えた場合には、居た方が面白いとは思うのですが、どうにも実在を窺わせる根拠となるような描写が見当たらないんですよね…。<br /><br />　ちなみに余談ではありますが、「ルキウス／Lucius」及び「ルキア／Lucia」という名前には、「光」という意味が有ります。<br />　一方、「イリア／Iria」は「トロイア（イリオン）の娘」という意味で、元々はローマ建国の王ロムルスの母親の名であったものです。<a name="more"></a>

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<title>そも「Elysion」と「Abyss」とは</title>
<description> 皆さんは、もし「エリュシオン（アビス）ってそもそもどういうものなの？」と問われた時、果たして答えることが出来るでしょうか？ どうも我々日本人というのは、アルファベットと見ると脊髄反射で英語だと思い込む傾向にあるらしく、「Elysion」を英語だと思っている人さえ居たという話も……。 そういう訳で、ここでは元来の「Elysion」と「Abyss」というものについて、少々説明してみようかと思います。 さて、まずは楽園でありますところの「エリュシオン／Elysion」。 これはギ...</description>
<dc:subject>Elysion ～楽園幻想物語組曲～</dc:subject>
<dc:creator>CAZ</dc:creator>
<dc:date>2005-07-16T21:36:54+09:00</dc:date>
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　皆さんは、もし「エリュシオン（アビス）ってそもそもどういうものなの？」と問われた時、果たして答えることが出来るでしょうか？<br />　どうも我々日本人というのは、アルファベットと見ると脊髄反射で英語だと思い込む傾向にあるらしく、「Elysion」を英語だと思っている人さえ居たという話も……。<br />　そういう訳で、ここでは元来の「Elysion」と「Abyss」というものについて、少々説明してみようかと思います。<br /><br /><br />　さて、まずは楽園でありますところの<strong>「エリュシオン／Elysion」</strong>。<br />　これはギリシア神話に於きます<strong>“神々の祝福を受けた死者のみ”</strong>が集う地であり、「救済や平穏の得られる地」や「苦しみから開放される楽土」というのとは、少々趣が異なります。<br />　性質的に言えば北欧神話にあります、戦乙女ヴァルキュリアに導かれた戦士達の魂が集うとされる、主神オーディンの住まう「ヴァルハラ宮殿」に近い存在でしょう。<br /><br />　余談ですがギリシア神話には、「エリス／Eris」という名の争いの女神が居たりします。<br />　この女神は多くの子を成しているのですが、その中には“迷妄と破滅”（！）の女神「アテ／Ate」なんていう神様が居たりと、何やらエリ組の内容にも通じるものが…。<br /><br />　そしてもう一方の<strong>「アビス／Abyss」</strong>。<br />　実はこれ、「Elysion」と同じ<strong>ギリシア語起源の言葉</strong>ではあるのですが、神話を出典とする単語ではないんですね。同神話に於ける冥府（地獄）の名は、そこを治める神の名と同一の「ハデス／Hades」ですし。<br />　<strong>ギリシア語としての本来の意味は「底無し」</strong>。英語としては皆さんご存じのように、奈落、深淵、深海、地獄などの意です。<br />　フリードリヒ・ニーチェの「善悪の彼岸」に於ける「And if you gaze for long into an abyss, the abyss gazes also into you...（深淵を覗き込むとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ…）」なんかが有名ですね。<br /><br />　と、ここまで解説した上で初めて言及できるのですが、実はこの「Elysion」と「Abyss」には、大きな関連性が有るのです。<br />　それは「Elysion」が存在するとされる、“場所”についてです。<br /><br />　これは実に面白い感覚なのですが、楽園たる「Elysion」が有る場所とされたのは、「タルタロス／Tartaros」の中心。<br />　この「Tartaros」は冥府たる「Hades」の更に底、地底の最底にある無限の暗闇を指し、「奈落」と訳されることも。<br />　神々（特に主神ゼウス）に背いた大罪者が落ちる場所とされ、地獄と同一視されることもある地の名前なんですね。<br />　なので、「Tartaros」＝「Abyss」という解釈は可能な訳なのですよ。<br />　ちなみに同名の神様も居ますが、これは神話では余りポピュラーな存在ではないようです。<br /><br />　とどのつまり、<strong>こと地理的な意味合いに於いては、「Elysion」と「Abyss」は同一である</strong>という解釈が成り立つ訳なんです。<br />　互いが互いを内包し合う、とでも言いましょうか、ともかく分かち難い存在である訳なのです。<br />　ここら辺りが、エリ組で両者を表裏一体として描いている根拠になっているのでしょうね。<a name="more"></a>

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