地平線への鍵 【Sound Horizon考察】

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「聖戦と死神」キャラ・名前のあれこれ

 ここでは「聖戦と死神」に登場している人物の、名前が持つ意味などを紹介してゆきます。
 SH作品は、キャラの命名一つとっても良く考えられている節があって、それを知る事によって意外な事実が見えてくる…かも?


「アルベール・アルヴァレス/Albers Alvarez」※ドイツ語名
 実はこの名には、ちょっとした面白い事実が隠されています。
 注目すべき点は、ファースト・ネームである[Albers]の部分。
ドイツ系の人名に於いては、この語尾に付いている[-s]や、[-sohn][-zohn]などは、所謂[Jr.(ジュニア)]を意味します。
 その為、[Albers]の場合は[-s]の部分が発音に含まれておらず、「アルベール」となっているんです。
 要するにこの名は、彼の父の名も「アルベール/Alber」であるという事を示しているんですね。
 ちなみに[Alber]には、「高貴」という意味があります。
 一方、彼の恋人であった「シャルロッテ/Charlotte」には、「自由農民」という意味があります。
 つまり、彼女という存在は大地に根ざした生き方の象徴でもあり、その彼女の死こそが、アルヴァレスが戦士として生きてゆくことの契機となる、暗喩になっているのです。


「ゲーフェンバウアー/Gefenbauer」※ドイツ語名
 彼の名は二つの単語から構成されています。
 [gefen]はヘブライ語起源の言葉で、植物の「キヅタ」の意。
 そして、[bauer]「農夫」、若しくは「建造者」という意味です。
 これだけでは[Gefenbauer]という名が持つ意味は巧く捉えられないのですが、ヨーロッパでは古くからキヅタの生い茂る家は裕福さの象徴とみなされており、逆にこれが急に枯れ落ちるのは災難の前兆として忌まれていました。
 つまり[Gefenbauer]は、「栄枯(若しくは単に“富”)を築き上げる者」という意味合いを持つ名なのです。
 それを踏まえて「聖戦と死神」の物語に目を向けてみますと、なるほど、アルヴァレスによって栄枯盛衰の憂き目を見たプロイツェン王国の人間である彼には、実に相応しい名ではないでしょうか。


「キルデベルト/Childebert」※ドイツ語名・ラテン語発音
 彼の名も、二つの単語から成るものです。
 [childe]「闘争」で、[belt]「輝き」。つまり「輝ける闘争」という意味ですね。
 面白いのが、この名を本来のドイツ語発音で読むと「ヒルデベルト」となる筈である点で、母音[C]を「カ」行で読む「キルデベルト」はラテン語の発音なのです。
 これは恐らく、「神聖帝国」たるフランドルが、ラテン語の母国たるローマを意識した存在である事の表れなのでしょう。
 この事実が、「聖戦と死神」世界に於けるガリアの共通語がラテン語である可能性が高いという、証左の一つともなっています。


「ローザ・ギネ・アヴァロン/Rose Guine Avalon」※英語名+ケルト語名
 彼女の名は、非常に面白い構成になっています。
 ファーストネームの[Rose]のみが英語で、[Guine]と[Avalon]は共にケルト語なのです。
 [Rose]「薔薇」である事は言わずもがなですので、問題はケルト語の部分。
 先ずは、王朝の名ともなっている[Avalon]ですが、言葉の意味としては、「林檎(アヴァル/Aval)の島」。ケルトの古い伝説で“妖精達が住まう地”とされた場所で、転じて「楽土」を意味します。
 アーサー王伝説では、深手を負ったアーサー王が最後に向かった地とされる場合もあり、ケルト神話にある妖精郷、常若の国「ティル・ナ・ノーグ/Tir-non-og」と同一視される事も。
 一方の[Guine]には、「美しい」という意味があります。これもアーサー王伝説に登場する、王妃「ギネヴィア/Guinevere(美女)」で有名でしょうか。
 これを纏めますと、[Rose Guine Avalon]という名は「楽土に咲く美しき薔薇」とでもいった意味合いを持つ事が、皆さんにもお判り頂けるかと思います。
 ひどく象徴的なこの名は、ひょっとしたら彼女の本当の名前ではないのかもしれませんね……。


「パーシファル/Parsifal」と「トリストラム/Tristram」※ケルト語名
 これも言わずもがなですが、《薔薇の騎士団》の騎士団長たる彼らの名は、アーサー王伝説に登場する「円卓の騎士」の名としてあまりにも有名です。
 名前の意味は、[Parsifal]「無垢なる愚者」で、[Tristram]「悲しみの子」。詳しい逸話に関しては、アーサー王伝説を参照して下さい。
 前述のローザといい彼らといい、Britania王国の人間にはアーサー王伝説の影響が色濃く見受けられますね。
Copyrights (C) CAZ 【2005年07月12日更新】 | Chronicle 2nd | HOME
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